プロローグ

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 ディレクターに指定場所に案内されて、控え室に向かう。  控え室は、パイプ椅子が数個に折り畳み式のテーブルが並べられただけの粗末な仕上がりだった。 「では、ここでお待ち下さい。そこにある雑誌類でも眺めていて下さい」 「わかりました」  ディレクターがこの場から出て行き、この場には俺1人となった。  長時間立ちっぱなしだったので足裏が痛い。まだまだ慣れないものだ。  側にあった椅子に腰掛けて、今日のライブについて反省をする。理由は満足しては上にいけないからだ。反省は自分を成長させる。 (ふぅ……まぁ我ながら良かったかな。だけども、まだ声量調整が出来るか)  テーブルに置いてあった水の入ったペットボトルに手を伸ばして口に含む。  ついでに、水の側に置いてあった雑誌数冊に手を伸ばした。  音楽雑誌に週刊誌にアダルトな雑誌まである。好きなのを読める様にと事前に用意してくれていたのだ。俺は気分的に週刊誌に目が行った。  週刊誌を開くと、トップにはグラビア。なんと今回は人気お馴染みの"Ruka★"の水着グラビアでした。  出る所はでたグラマラスなスタイルに過激なポーズ……思わず顔が赤くなる。こんな俺でも性欲はあるのだ。  相変わらず攻めた写真を撮られてるな……。  変な気分になるので音楽雑誌に変更した。  その時 「失礼します」  たまたまタイミングが良かったのかディレクターと記者の人がやってきた。  危ない危ない。グラビア見ている所を目撃されるのは流石に恥ずかしい。記事に書かれたら笑われちゃうよ全く。 「智喜さん。ライブの後で申し訳ありません! 私、月刊ミュージックの記事担当の、新垣と申します」  ニコニコとした表情に親しみやすい感じだった。俺としてはやりやすい。 「いえいえ、大丈夫です。軽輩の身の自分には勿体ないお言葉です」  お互いに頭を下げて挨拶をした。新垣さんも俺の隣に座りボイスレコーダーと手帳を取り出した。 「では、私も智喜さんもケツカッチンと言う訳なのでマキで質問しますね」 「はい、了解です」  
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