プロローグ

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 その後、俺は記者の方からの質問に答える。  質問の内容は様々で、答える側としては答えがいがある。中にはどうでも良いのもチラホラ。  好みの女性とか……好きな食べ物とか……。 「へぇ~。から揚げが好物って、なんだか親しみ間が湧きますね」 「いやぁ、から揚げとサラダがオカズでしたら毎日幸せっスよ」 「はははっ! そうなんですか! 私も好きですよ」  どうやら俺の私生活や過去を記事にして、皆に親しみを持って貰おうと言う感じかな。  質問から数分経過した時。 「では、次の質問にいきますね。SMILE TASデビューのきっかけとか聞かせて下さいますか?」 「きっかけ……ですか。そうですね……」  ふと考える。すると昔の思い出が脳裏に流れ込んできた。  初めは、学生時代の文化祭で結成された即席バンドグループでの講演だった。  すると……ライブ前に夢で聞こえた懐かしい声が再び脳裏に浮かんだ。  俺の……平凡な人生を180度変えてくれた、彼女の声。脳裏には鮮明に映し出されていた。 「……昔、ある動画サイトに歌った動画をあげたりしていました。でも、1番の機転は文化祭でのライブですかね?」 「そうなんですか! やっぱり智喜さんはモテモテだったでしょう~? 見た目的に遊んでいた雰囲気がありますもん」 「そんな事無いですよ。俺、普通の高校生でしたし。昔の見た目は今と全く違いますから」 「えぇ!?」  さらっと言うと記者は驚きを隠せなかった。  だって今1番アツくモテる、時の人が高校生活は平凡だったなんて……。  文字を書くスピードが速まり面白くなってきたらしい。 「じ、じゃあ、智喜さんの高校生活ってどんな感じだったんですか?」  
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