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高校3年間か……。今思うと25年生きてきた中で1番濃い部分だったと感じる。
溢れ出す楽しかった思い出達が、滝のように溢れてきた。
「そうですね、今のメンバーと遊んだり……ゲームしたりですね。特別な趣味も無かったかな? でも、やっぱり高校生活から人生が変わった感じがしますよ」
「へぇ……! 是非聞かせてくれないでしょうか? 凄く興味あります! 智喜さんの高校3年間の話!」
記者に言われた後、話すか少し迷った。初めて他の人に話す自分の思い出話。
しかし、今日は気分がとても良い。話したい気分でもあったのだ。
俺はニコッと微笑んで一言呟いた。
「じゃあ……ちょっと待ってください」
テーブル上に置いていた携帯に手を伸ばして、データボックスに入っていた1つの画像を展開した。
高校2年生の文化祭の時に撮った……大好きだった彼女とのツーショット。
滅多に見ないが、過去を思いだす時は、当時の画像を見て思い返すのです。
数秒間、画像を見つめた後……俺は語りはじめた。
「今から10年前の春。桜が満開に咲き誇る時期だったかな。沢山のソメイヨシノが植えてある都立高校に入学しました」
「……あの時、廊下の窓から見える1番綺麗な桜と同じくらい……俺にとっては、とても可憐で素敵な人に出会ったんスよ」
目を閉じると鮮明に記憶が蘇って来る。彼女の笑い声、彼女の笑顔、彼女の仕草、全てが鮮明に……。
愛ちゃん……。
「それでそれで?」
「はい。その人が、俺の人生を変えさせてくれた大切な彼女だったんです。でもっスね……ソイツ……」
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