すれ違う愛

2/18
前へ
/18ページ
次へ
放課後。 みんな学校が終わって帰れるという雰囲気の中、麻耶は教室内を見回して、一人の男子の姿を見つけると、軽く頬を染める。 それからすぐに視線を反らし、荷物を持って席から離れようとすると、一人の男子が麻耶の肩をトントンとたたいた。 「友哉くん?」 「三原さんまだノート出してないでしょ?俺、今日日直だからさ」 「あ、ごめん」 麻耶は急いでカバンからノートを出して友哉に渡した。 友哉はにこりと笑って「ありがとう」と言ってから戻っていった。 友哉のその姿を見送ってから、麻耶は急いで教室を出て行った。 校門を出ると、麻耶は自分の頬を手で覆う。 そして軽く熱くなっていることに気づくとため息をついた。 「あれくらいで照れてどうするの…」 そうつぶやいて、走って家まで帰っていった。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加