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しばらくの間二人は黙って歩いていたが、二人が分かれる道で麻耶が「それじゃあ」と言うと、友哉は少し悩んで麻耶についてきた。
「え…友哉くんは向こうじゃないの?」
「どうせなら家まで送っていくよ。ほら見て。もう夕日が消えていくよ」
友哉が指差した方を向くと山の端に少しだけ陽の光が残っていた。
その景色にちょっとだけ見とれてから麻耶ははっと我にかえると、友哉はもう歩いていて、途中で止まると振り返った。
「きれいでしょ?てか、早く来ないと置いていくよ」
消えそうな夕日の光に照らされている友哉の笑顔を見ていると、麻耶はなんだか胸が締め付けられる感じがして、その想いがバレないように…でも確かに感じながら、友哉の後を追いかけた。
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