初任務

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「そんじゃ、おいらの相手は兄ちゃんやな」  太一がそう言うと青年はあっさりとそれを認めた。 「そうですね。それでは僕等も場所を変えるとしましょうか」  太一もそれを了承し、二人は司達が行ったのとは別の方向へ移動していく。 「なら俺はあの女を「待ちなさい」」  仁の言葉は玲穏により遮られた。 「あの女は私がやる、あんたはその子を護ってやんな」 「けど……!」  仁は反論しようとするが、少女の震えと手を握る力が強くなっている事に気付く。 「今その子を護れるのは多分あんただけ、だからあの女は私に任しな」  仁は渋々と言った表情だがそれを受け入れる。 「あぁ、悪いな」 「気にしなさんな!」  そう言って笑ってみせると、女へと向き直る。 「話は終わったかしら?」  律儀に会話が終わるまで待っていた女が口を開いた。 「えぇ」 「それじゃ、始めましょう――か!」  言い終わると同時に女は玲穏に向かって駆け出す。  こうして3人の戦いが始まった。
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