60人が本棚に入れています
本棚に追加
「そんじゃ、おいらの相手は兄ちゃんやな」
太一がそう言うと青年はあっさりとそれを認めた。
「そうですね。それでは僕等も場所を変えるとしましょうか」
太一もそれを了承し、二人は司達が行ったのとは別の方向へ移動していく。
「なら俺はあの女を「待ちなさい」」
仁の言葉は玲穏により遮られた。
「あの女は私がやる、あんたはその子を護ってやんな」
「けど……!」
仁は反論しようとするが、少女の震えと手を握る力が強くなっている事に気付く。
「今その子を護れるのは多分あんただけ、だからあの女は私に任しな」
仁は渋々と言った表情だがそれを受け入れる。
「あぁ、悪いな」
「気にしなさんな!」
そう言って笑ってみせると、女へと向き直る。
「話は終わったかしら?」
律儀に会話が終わるまで待っていた女が口を開いた。
「えぇ」
「それじゃ、始めましょう――か!」
言い終わると同時に女は玲穏に向かって駆け出す。
こうして3人の戦いが始まった。
最初のコメントを投稿しよう!