初任務

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 一方、太一は苦戦していた。  何故かと言うと、相性が悪いからである。  太一が剣を使った近接タイプであるのに対し、男は弓を使った中距離タイプで、彼は常に太一と距離を取り攻撃を行っていた。  戦闘が始まってからずっとその調子で、太一は攻撃どころか男に近付く事さえ出来ていなかった。 「そろそろ諦めたらどうですか?どうやったって君に勝ち目は無いと思いますよ」 「おいらは体力には自信が有る、まだまだ粘らせて貰うぞ。それに勝ち負けなんて最後までやってみないと解らんしのぉ!」  かなり辛い状況であるにも関わらず、太一はむしろ楽しんでいると言った様子だ。 「そうですか、しかし僕だって暇じゃ無いのでね。次で決めさせて貰います」  そう言って男は太一から離れた木の上に立ち止まる。  そして、自身の武器である弓に魔力を集中させていく。  しかしそれが放たれる事は無かった。  なぜなら、男の肩には深々と剣が刺さっていたからだ。
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