第一章 鈴村亮太

5/5
前へ
/72ページ
次へ
「うわあ、助けてくれえ」  亮太は、グラウンド中を、鬼のような形相をして、一生懸命走って逃げた。だが、光の放たれたサッカーボールは、亮太に向かっ て、猛スピードで追いかけてくる。とてもじゃないが、亮太が逃げきれるような余裕はない。 「うわあ」  亮太は必死で逃げる。だけど、そばにあった石につまずいて、地面に思いっきり突っ伏してしまった。それと同時に、サッカーボールは、覆い被さるように、亮太の上に乗っかってくる。それと同時に亮太は、光に包まれるかのように、見る見るうちに消えていき、ついには姿も見えなくなった。
/72ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加