第二章 上村隼人

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 隼人もその中の一人である。普通なら、家に帰って、年越しそばを食べる人が多いというこの日 に、大学生の隼人は、家にも戻らず、ただひたすら、ゲームセンターで遊びまくっていた。  ただ単に遊びに来ているわけではない。去年、一人暮らしをするために、この町に引っ越してきたばかりの隼人には、友達もいないし、家に帰っても出迎えてくれる人はいない。  そんな毎日を癒すために、隼人は、毎晩のように、このゲームセンターに『アイスクリームはいかがですか?』をやりに来ているのだ。
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