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1990年春、この日、鈴村亮太は一人、空き地でサッカーの練習をしていた。
来週、八尾中学校との練習試合があるのだ。その試合には、鈴村勇という人物がいる。彼は八尾中学校ではエースナンバーを貰っており、別チームのエースである亮太にとっては、ライバルでもあるのだ。
二人は、サッカーでも有名な高校、勝賀高校からのスポーツ推薦を狙っていた。その高校は、プロにいった選手がたくさん出てい
て、亮太も、スポーツ推薦を取りたいがために、日夜、練習に励んでいる。
「将来、お父さんを楽させるために、僕はプロを目指すんだ。だから、勇には絶対、負けられない」
亮太は、なんどもなんども、サッカーボールを思いっきり、壁に向かって蹴っていた。
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