蝉時雨

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ぼんやりと世界を見ている私を、彼らは許しはしないだろう。 土にまみれ、火薬の臭いを染み付かせ、走って行った彼らは、決して私を許さない。 ポタリと頬が濡れた。 雨か……。 ジャージャーと騒がしかった蝉が鳴き止む。
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