1話 後ろのメリーさん

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あらあら……兄さんが余計な事を口走っちゃいましたよ? 「モシャモシャ……」 「それより僕はもうそろそろ買い物に行ってくるよ」 「モシャモシャ……」 はぁ……そうですか。 「それじゃぁお留守番頼んだよ」 「モシャモシャ……」 まぁ留守番ぐらいはいいですけど…… 「どうしたんだ?」 アレはほっといて良いんですか? そう言って、私は机の方を指さした。 「アレって?」 そして兄さんが私の指の先を目で追う―――― そう、さっき兄さんが置いて行った招待状の方へ…… 「ぎゃーーーー!!」 やっと兄さんも気付いたようです。 「やめろぉ!!」 兄さんが慌てて机に駆け寄ります。 正確には『机の上に置いてあった招待状を食べてる羊』に、ですけど。 「うわぁ~~、吐け! 吐き出せぇ!!」 羊に乱暴はいけませんよ兄さん。 それよりも、羊も紙を食べるんですね。てっきりヤギだけだと思ってました。 「そんな事どうでもいいだろぉーー!!」
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