1話 後ろのメリーさん

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――翌日―― メリークリスマス! 「メリークリスマス……」 どうしたんですか兄さん、元気ないですね? 「そりゃぁ……リナちゃんとクリスマス過ごせなかったからね…………」 まぁ、そうですよね。 「あれ、そう言えば何でミカンも行かなかったんだ?」 何でって…………兄さん1人置いて私だけ行くわけにはいかないじゃないですか。 「ミカン……」 実際の所、寂しい兄さんを見て居たかったのは内緒ですけど。 案外、感動して瞳を潤わせている兄さんも可愛いです。 「それにしても昨日は散々だったな」 そうですか? 私は楽しかったですけど。 「ははは……ミカンはSっ気ムンムンだね」 何を言いますのやら、私は正常ですのに。 「そう言えば、昨日の羊は何処行ったんだ?」 メリーさんですか? 「あぁ、うん……メリーさんは何処行ったのかな?」 メリーさんなら今朝からトイレに籠ってますよ。 「まだウチにいたの!?」 「ウチが居たらアカンか?」 「ひゃうっ!!」 おや、メリーさんが戻ってきたようです。 お腹の調子はどうですか? 「そこそこやな、昨日変なもん喰うたからなぁ」 あらあら、それは兄さんのせいですね。 「何で!?」 焦る兄さんも可愛いですね。 「ほなら、クリスマスパーティーしよか!」 メリーさんが乗り気の様です。 「はぁ……」 「ほな、メリークリスマス!」 メリークリスマス。 「……メリークリスマス」 ――後ろのメリーさん 終わり――
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