2話 井戸の中から……

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「タクヤ、ミカン。ご飯で来たわよ」 ダイニングからお母さんの呼ぶ声がリビングまで響きます。 「わかった、今行くよ母さん」 ソファから立ち上がり、兄さんがテーブルの上にテレビのリモコンを置いて行きました。 リンビングまで仄かにいい香りが漂ってきました。 どうやら今日の晩御飯はハンバーグのようです。 「やったぁ、今日はハンバーグか!」 先にダイニングに言った兄さんの歓喜の声が聞こえます。 私の予想は当たったようですね。 「ミカン早く来いよ」 今度は兄さんが私を呼びます。 言われなくっても行きますよ兄さん。 「じゃぁ早くおいで!」 はぁ、騒がしい兄さんです。 私は読みかけの小説をリモコンの横に置いて、ダイニングへ向かいます。
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