前編『カメラとクレイモア』

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その姿は天使か。 ギリシャ神話の神か…。 などと思わず見惚れてしまうほどの、美貌。 「ピュー♪」 と、僕は無意識のうちに感嘆の口笛を吹いていた。 青年はしばらく僕の顔を見ていたが、 「…アルフレッド班長なら遠征で式典の前日まで戻らないぞ? だから班長室まで行くだけ無駄だと思うが? ちなみに副班長ならもうすぐ訓練の時間だから、第七訓練場にいると思うぞ? 案内しようか? 私も、訓練に出ないといけないしね。」 そう云うと、にっこり微笑み、さっさと歩きだした。 その微笑みもまた、一枚の絵画のように美しく、僕の心深く刻まれたのだった。 .
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