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「私の背中には背後霊がいる」 「‥そうなのか?」 「おまえの背中にもいる」 「どうだかなあ」 「ちなみに、どれくらいいると思う?」 「はあ?」 「イヤ、だからさ‥背後霊のひとの数だよ!」 「‥おまえはナニをいっとるんだ?」 「‥現在の世界人口は七十億に迫ろうとしているが‥昔からそんなに多かったわけではない」 「そうだなあ、戦後スグの日本が八千万人くらいか」 「我が国が一億を突破したのは昭和四十年代。最近アメリカが三億をこえ、経済圏として成立したころのEUがやはり三億」 「いまは四億超えてらぁな」 「そうだ。さらに中国インドともなると‥」 「もう、考えたくもねーな!‥って、だからなんの話なんだ?」 「これだけの規模を維持しながら、ひとは生き変わり死に変わりしている」 「あー。そーなんだろーよ」 「ところが紀元前ともなると、世界人口は一億なかったらしい」 「へー、ほー、だから?」 「あるひとがな、いままで死んだ人間の数を計算して、それで現在生きている人間に対応する背後霊の数を算出したんだ」 「おおーう!そりゃすげーよ!んで結果は?」 「イヤ。それは忘れたんだけどな」 「‥てメェ」 「イヤ、まて」 「一発ブン殴らせろ」 「まて。話をきけ」 「あー?まーだなんかはなしがあんのか?」 「そうそう、ここからが話のキモなんだよ‥それで、私の野望としてだな」 「おう」 「この膨大な数の背後霊を、いちどきに背負ってみたいわけなんだ!」 「‥はぁ?」
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