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「あき…づき……おじちゃ…ん?」
私は自分の見たものが信じられなくて、声に出して呼びかけてみる。
だって、どうしてここにおじちゃんがいるのかわからないから……。
「恵ちゃん……つらかったね」
おじちゃんの声……。
「おじさんが来たから…もう、大丈夫だよ」
パパが一番信頼してた人……。
「今日から恵ちゃんは、おじさんのところで暮らすんだ」
おじちゃんの手がそっと私の手を握る……。
「今日から、恵ちゃんはおじさんの娘になったんだ」
その暖かさに、幻じゃないんだって実感が湧いてくる。
どうしておじちゃんが、ここにいるのか……おじちゃんが何を言っているのかも、わかっていなかったけど、それでも、緊張し続けた私の心を癒すには、その姿だけで十分だった。
涙が止めどなく溢れてくる。
私は、秋月のおじちゃんの広い胸に縋って、涙が枯れるまで泣き続けた。
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