第一話 “めんどくさい”

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「だいたいおまえ、勝算はあんのかよ?」 「ない!」 「あのなぁ……」  ……ヤバい。腕は重いし脚も動かなくなってきた。 息もあがってる。視界がぼやけてきた。 今なんだ?どんな状況だ?どっちが勝ってる? 頭がぐるぐるで、なんかヘンな汗も出てきた。 「っ、しっかりしろ……負けたら雅先輩を……!」 全国に……。 「メェェェェェェン!!」 乾いた音が、気持ちいいくらいに響く。聞こえてくるのは、相手高の歓声と――― 「おい君!しっかりしなさい!」 「起きろ!起きろよおい!」 あれ……なんでそんな叫んでんだよ…… 「…………」 雅先輩……ごめんなさい……俺……あなたを……全国に………。
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