6人が本棚に入れています
本棚に追加
彼女は随分興奮しているようで、フェンスの向こうから戻って来ても落ち着かない。頑丈なフェンスに腰掛けて彼女を見下ろした。
「じ、じじ自殺は…ダメです」
「はい」
「限りある命は最後まで生きなきゃダメなんです」
「はい」
「死んだらそこで人生終了ですよ!!!」
「ちょっと落ち着いて…」
「自殺したらお母さんとお父さんが悲しみます!!」
「うん、わかったからちょっと…ボリューム」
「自殺しちゃいけませぇえん!!!」
「僕は死なないから、落ち着いて」
学生に顔を真っ赤にさせてまで怒鳴らせるなんて、俺って本当になんで生きてられてるのかなぁ。
彼女は静かになったものの、興奮が収まらないようだ。人が来たら困る。
最初のコメントを投稿しよう!