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彼女はどうしてもこんなに必死になっているんだろう。なんだか申し訳ないな。俺が最後に彼女の様に必死になったのはいつだっただろうか。必死になるのをやめたのはいつだっただろうか、記憶にすら残っていない。
「あ、」
「うん?」
「あなたが捨てる明日は、誰かが生きたかった明日なんですよ」
「…そうだね」
「あなたをそばに必要な人だっているんですよ」
「そうかなぁ」
「あなたは命ある限り生きなきゃ駄目ですよ」
「…そうかい」
自殺を考える度に浮かんではそれを諌めた言葉を学生である彼女が口にする。彼女の送る明るい学生生活を送ってるようには見えない、冴えない自殺する一歩前の男に向かって。
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