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教室にはカリカリとドリルを進めるため鉛筆をせわしなく動かす音や、知恵や圭一の声が響いていた。
ここ雛見沢分校では在校生の少なさや教師不足から一クラスで、小学生から中学生までを含んだ極めて年齢差の激しいクラスとなっていた。
そして学年によって学ぶ事も違ってくるため、知恵一人が教壇に立ち黒板を使って説明をするという方法が採れなかった。
だから知恵もそれぞれの学年層事に集まらせて知恵がそれぞれの場所を周りながら教えていくという形式をとってはいたのだが、それでも知恵一人でこの方法を行っても生徒に教えられる量は限られており知恵も頭を悩ませていた。
そんな知恵の負担を軽くしたのが都会から引っ越して来たという圭一であった。圭一は都会から引っ越して来ただけあって中学校の自分の学年までの内容はそつなくこなせる程の学力があった。だから知恵は安心して圭一に圭一と親しい上級生の勉強を見るよう頼んだのだ。
そして転校生は全員が圭一と同い年であったため、こちらも圭一が見る事になっていた。
だが転校生の三名はいずれも知恵から渡されたドリルを黙々とこなしており、圭一の助けは必要なさそうであった。
「あ~もう。退屈すぎる」
転校生が一言も言葉を発さない事に息苦しさを感じたのか魅音が声を上げる。
「魅音、少しは転校生を見習えよ。お前今年受験だろ?」
「圭ちゃんがいつになく厳しく感じるよ」
そう魅音は愚痴を漏らした後、あっと思い出したかのように一言。
「そういえば転校生にまだ質問してなかったね。いやはや、おじさんとした事が完璧に忘れてしまってたよ」
「レナも転校生の事気になるかな、かな?」
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