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「ところでさぁ?」
「うん?」
シェイラが身を寄せて、声をひそめる。
それに合わせて、シルファも声が小さくなる。
「サクヤとは、どこまでいってんの?」
「はぃいっ?」
唐突な質問に、シルファは声が裏返る。
「いい加減教えてよっ。」
「だ、だからっ。何にも無いってっ。」
「嘘。」
「嘘じゃないってばっ。」
「嘘よぉ。アイツ、絶対シルファに惚れてるもん。
あんな仏頂面して、ぜーったい、シルファを押し倒すタイミングを計ってるはずよ。」
その綺麗な見た目にそぐわず、シェイラは思ったことは全て口に出るタイプだ。
バシぃ!
「いっ!…ったぁいっ!」
突然、背後から分厚いハードカバーの本がシェイラの後頭部に飛んできた。
「お前、マジで氷漬けにしてやろうか?そしたら静かになるよな。」
不機嫌を全面に出しながら、藍色の瞳で睨みつける長身の男子生徒。
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