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「サクヤっ。」
「ちょっと!女の子に本投げつけるって、どんな神経してんのよっ。」
「ああ、悪い。その本が勝手に飛んでったんだ。」
「そんなわけないでしょっ!」
「シルファ。届いてたぞ。」
「シカトすんな!」
シェイラの怒鳴り声を完全に無視して、サクヤはシルファに一通の手紙を渡す。
「あ、ありがとうっ。」
見た瞬間に、シルファは満面の笑みを返す。
それを見たサクヤも、満足そうに微笑む。
「ちょっと!何二人の世界作ってんのよっ!あたしにも男紹介しなさいよっ!」
シェイラの論点を逸れた言葉に、サクヤはめんどくさそうにため息をついた。
「そのうるささを何とかできたら、考えてやる。」
「む、か、つ、くっ!このっ、ムッツリスケベっ!」
「お前、コーネル並みにうぜぇ。」
「っ。あんなハゲじじいと一緒にしないでっ!」
「シルファ、よくコレと付き合ってられんな?」
「コレとかっ!っつか、指差すなっ!」
「あはは…。はは…。」
シルファは苦笑いだけ返す。
青みがかった黒髪と藍色の瞳で、シェイラ曰く万年仏頂面のサクヤ=リオル。
シルファとは魔道士学校に入る少し前からの顔見知りである。
どちらかと言えば、とっつきにくい印象を受けるが、その端正な顔立ちに見惚れる女生徒は多い。
ちなみに属性は水。
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