魔道士養成学校

8/35

32956人が本棚に入れています
本棚に追加
/827ページ
一見して、廃墟のようでもある外観。 うっそうと生い茂る草木をかき分けて、重厚な扉を開けると、そこには案外綺麗なアンティーク調の家具の並ぶ広間。 そのソファに丸くなる黒猫と、待ちかまえていたかのように肩に飛び乗ってくる白猫。 そして、まるで寝起きの気だるい表情で、半螺旋の階段を下りてくるのは、銀髪に氷色の瞳をした魔道士。 それから…。 小さかった弟の姿。 少し我儘で、やんちゃで、でも無邪気で優しいところもあった。 父と同じ、濃いブラウンの髪は軽い癖っ毛で。 瞳は、自分と同じオリーブ色だった。 けれど・・・。 シルファが最後に会った弟のトールは、赤い瞳をしていた。
/827ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32956人が本棚に入れています
本棚に追加