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「シルファとなんかあったのか?」
「…っ。なんでよっ?」
いきなり言い当てられて、思わずムキになる。
「一緒にいないから。」
「…そ…っいう時だってあるでしょっ。」
「まあな。でも、ムキになるってことは、当たりか。」
「ホント、イチイチムカつく男ねっ!関係無いでしょっ?」
「ああ。どうでもいい。じゃあな。」
あっさりとそう言うと、サクヤは立ち去ろうとする。
「ちょっ。待ちなさいよっ!」
思わず引き止めた。
特に理由は無い。
サクヤのこういう態度がイチイチ癇に障るのだ。
「なに?」
まったく動じる様子も無い。
いかにも「魔道士たるは冷静であれ!」を地で行っているようなヤツだ。
「…あ…、アンタ…っ、シルファが好きなのよね?」
その質問に、サクヤは明らかに気分を害したらしい。
顔をしかめ、呆れたようにため息をつくと、何も言わずにまた背を向けた。
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