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そのまま着いていくと、図書館の横にある錆びたベンチに座らされた。
サクヤは、一度その場を離れていなくなったかと思うと、しばらくして戻ってきた。
手には見覚えのあるカップ。
図書館の休憩室に設置されているコーヒーメーカーに備え付けられているものだ。
「ほら。」
「…あたし、コーヒー呑めないんだけど。」
「知ってるよ。アイスティーだ。バカ。」
「ば…っ。」
バカって…。
イチイチ一言余計だ。
カップを受け取る。
確かに、アイスティーだった。
…知ってたんだ。
いかにも他人に対して無関心な素振りのサクヤにしては、なんとも意外だ。
なんとなく、少しだけ気分が浮上する。
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