魔道士養成学校

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いろいろ訊かれる度に、「よくわからない」と答えた。 事実だった。 魔道士がどんなもので、魔道士学校がどんな場所なのか。 何一つ、わからない。 魔力があると言われても、それを使ったことも、それを感じたことも無い。 実感など無い。 なのに、期待外れの返答に、友人達は別の受け取り方をした。 「なにが魔道士よ。良い気になっちゃってさ。」 「前から、気に食わなかったのよねー、シェイラって。 ちょっと綺麗で頭いいからって。何でも許されると思ってるあたり?」 「そうそう。空気読めないとこあるよね。マジ、ウザい。」 「普通じゃないってことじゃん?魔力あるってとこからしてさ。 やっぱ、変なのよ、あの子。」 確かに、言いたいことをはっきり口にする性格だ。 でも、それに見た目や成績は関係無い。 何でも許されるなんて思ってない。 けど、納得がいかないのは嫌だ。 だから、魔道士学校へ行くことだって、何度も反論した。 誰も聞いてはくれなかったけれど…。
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