魔道士養成学校

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両親は、ここぞとばかりに近所に触れ回った。 ウチの娘はいずれ魔道士になるのだと。 そう決まったわけでもないのに、嬉しそうに話す姿はどこか滑稽だった。 いつからか口を閉ざした。 もうやめよう。 どうせ、誰にもこの声は届かない。 誰も知る人の居ない魔道士学校は、むしろ気が楽だった。 みんな、自分と同じ条件でここにいる。 初等科では成績上位だったシェイラも、ここではまるっきりの初心者で、わからないことだらけだ。 だが、劣等感もわかない。 なぜなら、大半が同じようなレベルだからだ。
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