魔道士養成学校

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「あたし、火属性だから…。でも、綺麗なんて、誰が言ってたの?」 「サクヤが。あ、えっと、サクヤっていうのは…。」 「知ってる。彼氏でしょ?」 「えっ?違いますよっ?」 「は?」 「サクヤは友達ですっ。えと、多分…?」 自分で言っておいて、首をかしげる。 「多分?」 ビミョーな関係てこと? 「私は、友達だと思ってるんですけど。 サクヤは、いつも私のこと鈍くさいとか、不器用とか、意地悪なこと言うから。 あ、根は優しいんですっ。多分。」 それって…? 「ま、いいや。で、そのサクヤが…、ホントにあたしの魔法、綺麗って言ったの?」 イマイチ、信じられない。 「サクヤは、同期の人は全員把握してて。属性とか、得意な魔法とか。 シェイラさんと同室になるって話したら、“あの火の魔法上手いヤツか”って。」 「上手いと綺麗はイコールじゃないでしょ。」 それに、自分の属性なら、得意なのは当たり前だ。 「火花が金色で、花火みたいだったって。」 にっこりと笑う。 なんだか一気に毒気を抜かれた気分だ。 …やっぱり、“綺麗”とは言って無いじゃない。 そのやりとりで、シルファ=リードを少しだけ理解した。 素直に人を受け入れる。 素直に人と向き合う。 一切の悪意も、打算も見えない。 でもって軽く天然。 そこがまた可愛い。 サクヤが、彼女に惹かれる理由が嫌と言うほどわかる。
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