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村長には、もう一つ「巨人の血」も渡しておいた。 村を出たという姉は、いずれどうにかして弟を連れ戻そうとするだろう。 ギルドに掛け込めば、シナリオ通り。 その時には、全て、村長と組織の連中の暴走として片づけ、その騒ぎに乗じて、被験体となった弟を手中にできる。 例え、姉がそのまま逃げたとしても、頃合いを見てヤツらを検挙すればいいだけのことだ。 だが…。 予想外だったのは、動いたのが、あの「銀の魔道士」だったことだ。 思いの外早く事態が収束され、おかげで、「弟」を逃した。 大事な「鍵」を…。 「そうか。」 姉も魔力保有者か。 「ふ…ッ。面白いじゃないか…。」 首長は、ニヤリと口の端を吊り上げて笑った。 ・・・ ・・・ ・・・  そして、また…3年の月日が流れる…。
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