第1章 不動の卵

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目の前に立ちはだかる巨大な物体。 僕はぽかんと口を開けてそれを見上げる。 敷き詰められた藁の上に、どっかり腰を降ろしたまだら模様。 楕円形というにはカーブがきつい。 あまり見ない形状、カラフルすぎてどぎつい印象の殻。 「……サイカ様。 これはなんの卵なのですか? こんな奇妙なもの、僕は初めて見ます」 尋ねながらも、卵から視線を外せない。
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