序章

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その当人は未だみそ汁をちびちびと啜っている。 「だってよー。  冬児っていっっっつも  翡翠のことばっか。  男色みてーだし」 「いっっっつもなんて…。  間に小さいつが  三つも入ります?」 「入るね」 困ったなあと、冬児は人差し指で頬を掻く。 「別に男色ってわけじゃ  ないんですけど…。  好きですよ、女の人。  でもほら、翡翠って  何考えてるか  わかんないじゃないですか。  …僕ら二年も一緒に  暮らしてるのに、  あの人のこと  全然わかんないなぁって…」 「俺は一年半だけどね。  …ま、それは言えてる。  でも、それって翡翠に  強要することじゃないだろ?  あーゆータイプは  自分から言ってくれるのを  待つしかないの。  しかも、翡翠は  自分の領域を  荒らされたくないって」 .
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