1367人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前は俺の性分ってのを
わかってんだな」
「え?」
驚き、翡翠を見るが、彼は相変わらずもくもくと朝食を食べている。
二度は言わん、ということだろう。
「…別に、わかってる
わけじゃねーよ。
ただ、そーかもなって…さ。
感ってやつ?」
視線をあげ、魁璃を見やる。
「…気のせいか。
俺も少々馬鹿になった」
再び目線を下げ、一度だけ口の端を吊り上げると、翡翠は無表情になりみそ汁を啜る。
「てめ…っ」
「飯くらい黙ってろ」
有無を言わさない制圧に、魁璃は渋々背を正す。
冬児じゃないけど、と魁璃は思う。
――掴みどこないよなー…
でも、と控えめに翡翠を見る。
この男はとても綺麗だ――…。
.
最初のコメントを投稿しよう!