序章

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ドクン 暗闇の中で、何かが脈を打つのを感じた。 自分の足元さえわからぬ暗闇の中、確かに何かが蠢いた。 翡翠-ひすい-はその正体を確かめようと、何も見えぬ闇の中を見渡す。 ふと、はるか前方に赤く爛々と光るものがあった。 珍しい蛍であろうか。 否、―――目であった。 血のように光る目が、ただじっとこちらを見ている。 .
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