序章

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「おや。今日は早いですね」 「冬児(とうじ)…」 翡翠が顔を向けると、茶髪が混じった短めの髪と、茶色のやさしげな光りを湛えた瞳を持つ青年が立っていた。 彼の名前は、冬児である。 「…眠れませんでしたか?」 「あ?  何でだ?」 睨むような眼光を向けるが、それでも冬児は笑いながら答える。 「汗、びっしょりですから」 「…別に。  夢見が悪かっただけだ…」 ばつが悪そうにすっかり明るくなった空を見上げた。 .
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