act.2

34/35
1368人が本棚に入れています
本棚に追加
/600ページ
「斎艶様は……」 呟くようなか弱い声。 油断したら聞き逃してしまいそうだ。 「とてもやさしくて、  慈悲深くて、綺麗で、  神聖なお方です。  ……あなたはよく  似ている……」 真っ直ぐに見つめられる漆黒から目が離せない。 ――…似ている? そんなことはない。 自分はけして慈悲深くなどない。両手は罪に汚れている。 人間を手にかけたことだってある。 神聖なわけがない。 .
/600ページ

最初のコメントを投稿しよう!