act.2

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翡翠は目を細める。 この無垢なほどの漆黒は、正直苦手かもしれない。 だが、嫌いではない。 むしろきっと逆だ。 その瞳は、いつでも自分を映すのだろう。 清く、愛情に似た光をたたえたまま。 『俺のものだ』 唐突に思った。 しかし、翡翠はまるで自分を嘲笑うかのように口を歪める。 ――何を、らしくもない…… くるりと踵を返し、御所内へと足を踏み入れる。 「…来い。  目立ったことはするなよ」 「承知しております」 2つの影が、門へと消えた。 .
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