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冬児が食堂へ向かうと、並べられたお盆の前に人が座っていた。
「おや、魁璃(かいり)。
おはようございます。
早かったですね」
「おー。おはよう」
魁璃と呼ばれた青年はゆっくりと顔をあげ、挨拶を返した。
サラサラとした青みかかった黒髪。
その瞳も黒く、そして深い。
少しだけ日に焼けた肌はなにより健康そうに見えるが、今は起きて間もないらしく、眠そうにとろんとしている。
「翡翠は?」
「えぇ。起きてるんですけど、
夢見悪かったらしくて…」
半ば呆れつつ、冬児はお椀にご飯をよそっていく。
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