act.3

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『あな…、口惜しや』 なまめかしい声と共に、中から姿を見せたのは、紛れもない女であった。 その姿は人ならぬ美しさをもっている。 長く流れるような黒い髪、雪のような白い肌、嘆きの憂いを湛え、見る者にすがりつき虜とするような潤んだ瞳。 並の男ならばその姿の前に堕ちぬ者などいない。 妖艶なあやかし。 4人は女をじっと睨みつけていた。 .

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