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周りを見渡せば暗闇でした。 遠くを見通しても、どこまでも闇一色なのです。 薄ぼんやりとした暗闇に、ただ、 白い雪が、降り続けているのです。 昼なのか夜なのかも分かりません。 誰もいません。 音もしません。 だだ、空から雪が降り続けているのです。 始まりも終わりもないままこの景色は永遠に。 眼を閉じても映るのです。 雪が降っているのですから時間は流れているのでしょう。 ですが、この世界にいるのは私一人だけなのです。 ただ、ただ、雪が降り続けているのを感じていました。 これでいいのです。 これでいいのです。 私はこれでいいのです。 だって、この世界は私なのですから。
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