蒼色街灯

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蒼色街灯

いつのまにか機関車に乗っていた ここは何処か 蒸気が噴き出す音が鳴り渡る ここは何処か 窓外を見れば、一面の草地模様 思い出せない 私の他に乗客はいない 板敷きに緑色の布張り椅子が客車の古さを醸し出している ここは何処なのか 誰かいないのか 僅かに揺れる車内を進行方向に歩きだす 次の客車に移る扉の取っ手に手を掛けたときに窓ガラスに顔が映った 中学生くらいの幼い顔が ああ、あの頃はよかったな と、ふと思った 扉を開け閉め、次の客車に移る
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