~第1章~

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コンコンコン……… 『はい、どうぞ』 亀の返事とともにゆっくりと扉が開く。 『今日も大した重役出勤だな、赤西』 そう言い、少しため息を吐きながら社長室に入って来たのは、この会社を俺と一緒に立ち上げ、俺の高校からの親友兼この会社の副社長を務める山下智久だ。 『ってか俺、社長だから重役じゃね(笑)?』 『そんな時だけ社長面すんな』 『はいはい、以後気をつけまーす』 『それも 聞き飽きた』 『なら諦めろ』 『社長の遅刻を諦める副社長がどこにいるんだよ』 『うぅ~ん…、俺の目の前?』 『…、亀。俺もブラックで今日はちょうだい』 『かしこまりました』 俺の話を途中で切り捨て、応接用のソファにゆっくりと腰掛ける山下。 『熱いのでお気をつけ下さい』 『ありがとう、亀。今日も赤西の子守ごめんな』 『いえ、山下さんに謝られるような事ではございませんので』 そんな会話をしながら二人で微笑みあっている。 …、なんかこの今の状況を気に食わないと思うのは俺だけ、?
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