802人が本棚に入れています
本棚に追加
先程とは違い、仕事に集中してしまえば二日酔いの事ものけ者にされていた事も頭の中からとんでいく。
やっぱ社長やってるからにはそれなりに仕事は出来るんだよね。
それなりにな(笑)
『赤西、この書類最終チェックよろしく』
『あぁ、そこのデスクに置いといてくれ。それとこの書類はもういい』
『この書類って…。あぁ、この間の会社か。やはり思った通り…』
『ハズレ。期待ハズレにもほどがある』
『それにあそこの社長、亀しか見てなかったしな(笑)』
ふと何かを思い出したかのように山下が笑いながら、言葉を零す。
それにピクリと反応した俺と動きがピタリと止まった亀。
『えっ…、私ですか?』
まさか自分の名前が出てくるなんて思ってもみなかったのだろう。
書類を手にしたまま止まっていた。
『なんで、そこで私が…』
『あぁ~…、わかんないならいいや。気にしないで亀』
『えっ…、いやあの………』
『山下が気にするなって言ったんだ。気にしなくていいんだよ』
俺は少しきつい口調になりながらも亀が探りをいれるのを牽制した。
それに納得がいかないような顔をふとした亀だったが、何も言わずに頷いて仕事を再開した。
俺はその瞬間に山下を見つめ、アイコンタクトで無駄な口を叩くなと牽制した。
それに気付いた山下は苦笑いをしながらも頷いていた。
最初のコメントを投稿しよう!