~第2章~

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午前中の仕事も無事に終わり、14時からあった役員会議も今やっと終わった。 やっぱり二日酔いのせいか、頭がズキズキする…。 『社長、今日予定されていた会議はすべて終わりました。この後の予定ですが…』 『無理無理~。もう俺、今日はギブアップ。昨日の二日酔いのせいで頭痛いし、身体ボロボロだし、やる気出ないし………』 『最後の台詞がお前の本音だろ、赤西』 文句をぶつぶつ言いながら、やっとの事で定位置の社長椅子に座る。 会議は下の社員階でやるからわざわざ降りないといけない。 上に上がるエレベーターに乗るまでの俺の今出来る最大級のスマイルに女性社員はドアが閉まるまでメロメロだったはず! それをやり遂げただけでも十分社長としての責務は果たしているはずなのに、この二人は何を言っても通用しない。 『社長』 俺が社長机に顎をのせながらため息をついていると亀が俺の前に立ってこちらを見つめていた。 『本当にお疲れでしたら、今日はここまでにしましょう。後は私がなんとかしますから』 『えっ…………』 その言葉に素直に驚く俺。 山下も同様のようで、ソファに座りながらこちらを見つめている。 『体調がおもわしくない時に無理をされて病気にでもなられた方が会社の迷惑です。今日予定していた会議はすべて終わりましたので、この後の錦戸様とのお約束は私が先方に失礼のないように務めさせて頂きますので、今日はご自宅にお帰りになって下さい』 そう言うと、俺に一礼し隣の応接室の方に向かおうとする亀。 俺は慌てて椅子から立ち上がり、応接室への扉の前を塞いだ。
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