~第1章~

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そのエレベーターに乗り込み、社長室へと向かう。 このビルは7階建てとなっているが、地下の駐車場から最上階の社長室に向かうまでのフロアに止まるボタンはこのエレベーターには備えられていない。 つまり乗った時点で、社長室に勝手に向かってくれるってわけ。 このエレベーターの存在は俺と亀と社員では数人の奴しか知らない。 後は親しい取引先などはよくこのエレベーターで勝手に社長室に入って来たりもするが…。 まぁセキュリティはしっかりしてるから誰でもこのエレベーターに乗ったら社長室に来れるってわけでもないんだわ。 今、ちょっと乗りたいなって思った奴は残念でした(笑) そうこうしてる間に表示ディスプレイが7階を示す。 扉が開いた先は、俺の社長室の隣にある応接室。 やっぱり社長室にエレベーターの扉がどーんとあったらエレベーターの存在がバレちゃうじゃん? だから隣の商談の時とかに使う部屋に作っとけば取引先ともすぐにその部屋で商談開始ってわけ。 まぁここは一部の親しい取引先しか入れないから存在自体が未知の部屋だけど…(笑) 大抵の取引先は入口から入ってくるから社長室で取引するけど、俺の社長室って意外に扉がいくつもあったり…。 応接室の逆側にも部屋があって、そっちは俺のプライベートルーム。 もちろん仕事が詰まってきたら会社で寝泊まりしたりもするからと思って作っちゃっただけだけどな。 まぁざっくり言ってしまえば7階フロアすべてが社長室みたいなものだから一般の社員は7階自体に来たことがないと思う。 他にも部屋はたくさんあるからまた使う時にでも説明するわ。 そんな雑談を誰かにしつつ、社長室の中央にある俺専用のイスに座る。 もうここに座ったらやっぱり仕事しないとなとは少しは思う。 まぁ完璧にやる気は出ないが…。 亀がコーヒーを作ってくれてる間に電話で山下を呼び出した。
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