動き始める風車

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「そうだったんだ。」 彼女はそう言うと俺の頭を優しく撫でた。 撫でられることで、昨日流したはずの涙がまた溢れてきた。 彼女に会ってから泣きっぱなしだな…俺。 「それで……あっ。そういえば君の名前聞いてなかったね。何て言うの?」 「えっ…俺は、神宮寺遥斗。修鳴学園二年」 「そうなんだ。遥斗って名前なんだ。いい名前だね。私は神尾美鈴。同じく修鳴学園二年」 「同じ…学園?けど、学園で見たことない気が…」 「…そうだろうね。私あんまり学園行ってないから。」 「行ってないって、どうして?」 「私ね…小さい時から心臓が悪くて、運動は出来ないし、いつ発作が起こるか分からないから学校とかも行けなくて」
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