廻りだす風車

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「今まで自分勝手にプレーしてきてごめん。俺はもう部に戻る事はないと思う。だから自分達のやりたいプレーを存分にしてほしい」 これでいい。けれど、本当は俺自身がサッカーから離れたいから、部の連中と距離を置きたいから出た言葉なのかもしれない。 実際に俺が言った方がいいのかもしれない。けど恐いんだ。 現実を、サッカーをみるのが。 「…わかった。伝えとくよ。けど、1つだけいい?」 真剣な顔の穹。 「私は、ずっとハルの味方だから。誰がなんと言おうとも、ハルの味方だから」 真っ直ぐな目。昔から変わらない、強い目だ。 「ありがとう。忘れないでおくよ」 「うん。じゃあ、帰るね。時間があったら、また来るから」 「おう、じゃあな」
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