廻りだす風車

22/22
前へ
/83ページ
次へ
「へぇー…最近知りあったねー。お兄ちゃん?」 そう言うと桜は俺を睨んだ。 桜がとげとげしいから美鈴が困ってるじゃん。 「美鈴、ごめん。また後でいい?」 「え?…う、うん。じゃあ明日くるね。妹さんも、またね」 「はい。さようなら」 美鈴はちょっと苦笑いして部屋から出ていった。 「桜!あの態度は良くないだろ」 「だって…お兄ちゃん、桜が来たときより嬉しそうな顔したんだもん」 「だからって、あれはやりすぎだよ」 「ごめんなさい」 どうやら桜は反省してるみたいだから、この話しはこれで終わりにしよう。 「そうだ、桜。次来るときは普通のメロンパンで頼むよ」 「……そうだね、次を楽しみにしててね」 お兄ちゃんは優しいな、だから大好きなんだ。という桜の呟きは俺には聞こえなかった。
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!

91人が本棚に入れています
本棚に追加