過去の風車

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「今日から一緒に暮らすことになった桜ちゃんだ。遥斗はお兄ちゃんになるんだ、だから優しくするんだぞ?」 俺が10才の時に桜が家にやってきた。 俺の親と桜の親は親しかったらしい。 だが、桜の両親は不慮の事故で亡くなってしまい、引き取り先を探していた時に俺の親が名乗りでたらしい。 俺には難しい話しだったから、言われたときは良くわからなかった。 「さ、桜です。よろしくお願いします」 「じ、神宮寺遥斗。よろしく」 そんな俺たちのやり取りを両親は微笑んで見ていた。 けれど、いきなり妹ができて何をしたらいいか分からず、1ヶ月ほどギクシャクした感じが続いた。 そんなある日、俺は父さんに話があると言われ書斎に呼ばれた。 普段部屋に入るなと言われていたから俺はすごく緊張していた。
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