過去の風車

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「遥斗、まだ桜と仲良くできないか?」 俺が部屋に入るなり父さんは言ってきた。 「そういう訳じゃないけど…どんな話ししたり遊んだりしたらいいかよくわからないし…」 そう言うと父さんは腕を組み考え出した。 「…そうだ!遥斗、今日から同じ部屋で寝なさい」 その時、俺は父さんの言葉を理解するのに少しかかった。 「えっ?な、なんで同じ部屋で寝ないといけないの?」 「寝食を共にするという言葉があるんだよ。遥斗だって桜と仲良くなりたいだろ?」 「それは…」 「桜には父さんから言っておくから。」 「うー、わかったよ」 俺が返事をするなり父さんは真剣な顔になり言った。 「桜のお父さんとは子どもの頃から仲が良くてな…あの日、事故があった日に頼まれたんだよ。桜をよろしくって。親友の頼みってこともあるけど、遥斗のためでもあるんだよ」 今はまだ分からないかも知れないけどなと父さんは最後に付け加えた。
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